作品7-2 : a short short story『michelsonne 2オクターブのラブレター』(後編)
- 2013/06/05
- 08:55
ドアの外の鶏男はまるで僕が覗き穴から見ていることを見透かしているかのように、無表情(お面を被っていることも相まって)かつ無機質な様子でドア越しにじっとこちらを見つめている。
鶏男の姿は、継ぎ接ぎだらけの薄汚れた黒のスーツで、左脇に木の箱の様なものを大事そうに抱え、右手にはボロボロのこうもり傘(その先端には直径45センチほどの扇風機のプロペラみたいな羽が装備されている)を持っていた。鶏がこうもり傘で空を飛んで、「お届け物です」とでも言うのか?バカげている、正気の沙汰ではない。明らかに怪しすぎる。そんな人騒がせで非現実的な荒手の宅配便は聞いた事がない。目の前の状況はお世辞にもファンタジーとは言えなかった。僕は身の危険を感じていた。彼の姿はどこからどうみても只の変質者だった。鶏のお面のサイズは明らかに男の頭には大きすぎてブカブカのグラグラだった。その滑稽なバランスが鶏男の変質性をさらに増幅させていた。
僕の頭はひどく混乱した。人生初にして最大の恐怖の事態だ。とにかく落ち着こう。額から一筋の汗が流れる…僕は得体の知れない恐怖で、汗を拭う少しの動作によりこちらの存在がバレるのではないのかとそれを止めた。
僕はその場の危機的状況を回避するために、目を閉じてできるだけ意識を集中した。いつもはベランダでワルさしている鳩も、何故か今は静かだ。ドクンドクンと、何処かの国の儀式に使われる太鼓のように、心臓の鼓動がいつもよりはやいリズムを刻んでいる。
まず考えうることは、知り合いの悪い冗談だった。しかし悲しくもすぐさまその可能性は0になった。
まず今の僕には、冗談をやり合う友達と呼べる相手、ましてや親友は1人もいなかった。もともと知り合いや友人の関係性は狭く深くを求める、引っ込み思案で人見知りの性格だったが、今の自分はそれまでの自分と照らし合わせても実際的に群を抜いて孤独だった。心から笑い、苦しみ、哀しみ、共に怒り立ち向かう、そんな価値観や目標を共有し共鳴し合う相手(それが本当の仲間や友であり真実の絆であることを僕は疑わない)は、今の自分の環境には何処を見渡しても誰1人としていなかった。そして僕はあと2年で40歳を迎える。これから新しく親友を作るには歳をとり過ぎていた。
これは僕の経験上、芸術活動において揺らぎの無い、強靭かつ壮大な志しがある表現者(抽象的、独創的表現形態であるほど)というのは報われる事が少ない。大体25~32歳まで(社会的にはそれを無茶をしてもやり直しが効く歳と言われている)は周りから特別視され尊敬されるものだ。実際、沢山の人間が門下生の如く僕を取り巻き、賞賛し、伝道師の如く意見を求めてきた。創作において僕の無茶なわがままを喜んだ。そして協力してくれた。その時の皆に感謝している。しかし社会的タイムリミットというべきなのか?その制限時間内に作品の評価と金銭的成功をおさめなければ自然と周りの人は離れていく。(勿論、個々に様々な具体的理由はあった)
それまでの関係が、まるで期間限定の契約書でも書いたかのようにあっさりと…。まあ当然の話だ。1人の売れない芸術家と共に誰が見投げ覚悟で死ぬまで着いてくるだろうか?僕は愛想笑いで制限時間を伸ばすような社会的器用さを持ち合わせていない。
協調性で人と繋がり、その繋がりの数をステータスにし、影でお互いの悪口を言い合い、そのくせ都合の良い時だけなに食わぬ顔できれいごとを言ってお互いが打算的にまるで〔物〕でも扱うかのように利用しあっている。そんなほとんどの大人(全ての大人とは言わない、勿論社会にも尊敬に値する人はいる)同士の関係を絆と呼び、仲間と呼ぶ社会的精神の需要と供給を繰り返す環境に僕はどうしても馴染めなかった。
凍りつくほどの殺伐とした時間(約2分間が僕には10分ほどの長さに感じた)
の中で幾つかの、この事件が起こった現実的可能性を絞り出したが、あまりにもこの場の状況が非現実的であった為、ことごとく僕の中で却下された。
結論として、この危機状況を回避する方法は、この場に直面したならば大体の人がそうするであろう一番シンプルで手っ取り早い手段、警察を呼ぶことにした。鍵はかかっている、心配ない。鶏男はどうやっても部屋に入ることは出来ない。あとは玄関から部屋に戻ってスマートフォンから110番するだけだった。
『あの…どっちにする?選択肢は2つあるけんど。』
突然ドア越しに鶏男は僕に話かけた。
『心配せんでもそっちの部屋にワイは入れん。』
大きくも小さくもない落ち着いた声のトーンで訥々と。
僕はそれを黙って聞いていた。
『ドアを開けて貰っても入れんのよ。』
鶏男の言葉には訛りがあった。僕はその訛りが何処のものなのかすぐに理解する事ができた。
『あんた色々あったみたいやけんど、もう良いんちがうん?えらい疲れてるみたいやし。最終どっちを選ぶかはあんたやけんど…。』
やはり僕には何の事だかさっぱりわからない。
『選択肢1:ドアを開けて灰色の世界で暮らす』
「灰色の世界?」僕は聞き返した。
『そう、灰色で塗りつぶされた世界。ここには色彩は存在せん、喜びや悲しみ、怒りや苦しみも…あんたの好きな音楽も存在せん。絵も造形も居酒屋やゲームセンターも無い。あんたの嫌いな社会や企業も無い。全ての生命に感情が存在せん、だから何にもない。病気やお金も存在せん。寿命もない。ただ未来永劫穏やかな風が吹く世界。そこでやるべき事は1日6時間、灰色の世界が定めた役割を果たすだけ。』
「役割?」
『そう、役割。そっちの世界で言う仕事みたいなもん。たださっきも言うたように灰色の世界にはお金も感情も存在せんけんね。そこがちょっとそっちの世界と違う。一応言うとくけんど、灰色の世界で決まっとるあんたの役割は風車小屋の管理人。もちろんこっちの世界にワルさする人はおらんけん。風車が正常に作動してるか、動力室に小動物が迷い混んでないかチェックするだけの簡単な役割。』
僕は灰色の世界を想像してみた。
『みんな仲良うやってるよ。カートもバスキアも三島もあんたの亡くした子も…。』
その時僕は理解した。鶏男も灰色の世界もこの世のものではない。
しかし僕の心には何故か全く恐怖心はなく、むしろ何だか懐かしい、郷愁を感じる穏やかでちょっぴり切ない温もりに包まれていた。
「もうひとつの選択肢は?」
僕は鶏男に質問した。
『これなんやけど。』
鶏男は小脇に抱えた木箱を両手でゆっくりと持ち直して向こう側のドアの除き穴から僕に見せた。
『選択肢2:色彩の世界でミシェルソンヌを使って、"2オクターブのラブレター"を書く』
空白の時間が流れた。
「訳がわからないな…ミシェルソンヌ?」
鶏男は木箱の側面に着いた、取っ手のような物を引っ張ると、カシャンと音をたてて小さな2オクターブの鍵盤が木箱から姿を現した。鍵盤の上の鉄板はポップな赤で彩られていて白文字で [michelsonne paris] と書かれている。
「トイピアノ…。」
『そう、トイピアノ。このミシェルソンヌを使うてそっちの世界で"2オクターブのラブレター"を書く。』
僕は二つ目の選択肢の、あまりにもすっとんきょうな条件と気恥ずかしさに苦笑いを浮かべて言った。
「ラブレターなんて人生で一度も書いた事無いし、僕はもう初恋をする歳でもない。今年で38歳になるし、お世辞にも若いとは言えない。15年付き合ってる彼女はいる。だけどラブレターを渡すような淡い関係はとっくに過ぎてる。」
『ハァー…あんたは何もわかっとらん…。』
「それに僕は20年近く音楽を続けているけど、2オクターブじゃあ作曲に置いての制限が有りすぎる。これじゃあ童謡ぐらいしか書けないな。」
『あんた本当に何もわかっとらんみたいやね…。』
「……。」
『もう時間が無い………。』
「……。」
ベランダの鳩のいたずらに目を覚まし時計を見たのは、昼の2時を丁度過ぎた頃だった。
さっきの出来事が理解できないまま玄関のドアを開け、外の景色を眺めた。いつも通りの見慣れた、退屈で何ひとつ変わらない時間が過ぎていた。
僕はドアの側に鶏男が置いて行ったミシェルソンヌを見つけると、部屋に持ち帰った。除き穴から見た印象より少し大きく、幅は約40㎝ぐらいあった。
「"2オクターブのラブレター"…。」
僕はそう呟くと、やはり馬鹿馬鹿しさと気恥ずかしさによる苦笑いを浮かべた。
取っ手を手前に引くと、カシャンと音を立てて2オクターブの鍵盤が姿を現す。
僕は1オクターブ目のドの音を人差し指でそっと押してみた。
【 ティーン ♪ 】
その音は想像以上に大きく、部屋の空気を清めるほどに透明感を帯びて響き渡り、朝霧のかかる森のようにひんやりとした音の余韻を残して消えた。
そういえば、前に楽器を弾いてからもう1年が過ぎていた。
僕は約一年ぶりに自分で音を奏でていた。
なぜだかわからない…僕の頬を一筋の涙が流れている。
僕は自分の涙に動揺した。
38歳の男泣きはまずい事ぐらいわかっている。
しかし、どうやっても涙は止まらなかった。
色彩の世界の小さな部屋で、僕は1人泣いた。
-終わり-
鶏男の姿は、継ぎ接ぎだらけの薄汚れた黒のスーツで、左脇に木の箱の様なものを大事そうに抱え、右手にはボロボロのこうもり傘(その先端には直径45センチほどの扇風機のプロペラみたいな羽が装備されている)を持っていた。鶏がこうもり傘で空を飛んで、「お届け物です」とでも言うのか?バカげている、正気の沙汰ではない。明らかに怪しすぎる。そんな人騒がせで非現実的な荒手の宅配便は聞いた事がない。目の前の状況はお世辞にもファンタジーとは言えなかった。僕は身の危険を感じていた。彼の姿はどこからどうみても只の変質者だった。鶏のお面のサイズは明らかに男の頭には大きすぎてブカブカのグラグラだった。その滑稽なバランスが鶏男の変質性をさらに増幅させていた。
僕の頭はひどく混乱した。人生初にして最大の恐怖の事態だ。とにかく落ち着こう。額から一筋の汗が流れる…僕は得体の知れない恐怖で、汗を拭う少しの動作によりこちらの存在がバレるのではないのかとそれを止めた。
僕はその場の危機的状況を回避するために、目を閉じてできるだけ意識を集中した。いつもはベランダでワルさしている鳩も、何故か今は静かだ。ドクンドクンと、何処かの国の儀式に使われる太鼓のように、心臓の鼓動がいつもよりはやいリズムを刻んでいる。
まず考えうることは、知り合いの悪い冗談だった。しかし悲しくもすぐさまその可能性は0になった。
まず今の僕には、冗談をやり合う友達と呼べる相手、ましてや親友は1人もいなかった。もともと知り合いや友人の関係性は狭く深くを求める、引っ込み思案で人見知りの性格だったが、今の自分はそれまでの自分と照らし合わせても実際的に群を抜いて孤独だった。心から笑い、苦しみ、哀しみ、共に怒り立ち向かう、そんな価値観や目標を共有し共鳴し合う相手(それが本当の仲間や友であり真実の絆であることを僕は疑わない)は、今の自分の環境には何処を見渡しても誰1人としていなかった。そして僕はあと2年で40歳を迎える。これから新しく親友を作るには歳をとり過ぎていた。
これは僕の経験上、芸術活動において揺らぎの無い、強靭かつ壮大な志しがある表現者(抽象的、独創的表現形態であるほど)というのは報われる事が少ない。大体25~32歳まで(社会的にはそれを無茶をしてもやり直しが効く歳と言われている)は周りから特別視され尊敬されるものだ。実際、沢山の人間が門下生の如く僕を取り巻き、賞賛し、伝道師の如く意見を求めてきた。創作において僕の無茶なわがままを喜んだ。そして協力してくれた。その時の皆に感謝している。しかし社会的タイムリミットというべきなのか?その制限時間内に作品の評価と金銭的成功をおさめなければ自然と周りの人は離れていく。(勿論、個々に様々な具体的理由はあった)
それまでの関係が、まるで期間限定の契約書でも書いたかのようにあっさりと…。まあ当然の話だ。1人の売れない芸術家と共に誰が見投げ覚悟で死ぬまで着いてくるだろうか?僕は愛想笑いで制限時間を伸ばすような社会的器用さを持ち合わせていない。
協調性で人と繋がり、その繋がりの数をステータスにし、影でお互いの悪口を言い合い、そのくせ都合の良い時だけなに食わぬ顔できれいごとを言ってお互いが打算的にまるで〔物〕でも扱うかのように利用しあっている。そんなほとんどの大人(全ての大人とは言わない、勿論社会にも尊敬に値する人はいる)同士の関係を絆と呼び、仲間と呼ぶ社会的精神の需要と供給を繰り返す環境に僕はどうしても馴染めなかった。
凍りつくほどの殺伐とした時間(約2分間が僕には10分ほどの長さに感じた)
の中で幾つかの、この事件が起こった現実的可能性を絞り出したが、あまりにもこの場の状況が非現実的であった為、ことごとく僕の中で却下された。
結論として、この危機状況を回避する方法は、この場に直面したならば大体の人がそうするであろう一番シンプルで手っ取り早い手段、警察を呼ぶことにした。鍵はかかっている、心配ない。鶏男はどうやっても部屋に入ることは出来ない。あとは玄関から部屋に戻ってスマートフォンから110番するだけだった。
『あの…どっちにする?選択肢は2つあるけんど。』
突然ドア越しに鶏男は僕に話かけた。
『心配せんでもそっちの部屋にワイは入れん。』
大きくも小さくもない落ち着いた声のトーンで訥々と。
僕はそれを黙って聞いていた。
『ドアを開けて貰っても入れんのよ。』
鶏男の言葉には訛りがあった。僕はその訛りが何処のものなのかすぐに理解する事ができた。
『あんた色々あったみたいやけんど、もう良いんちがうん?えらい疲れてるみたいやし。最終どっちを選ぶかはあんたやけんど…。』
やはり僕には何の事だかさっぱりわからない。
『選択肢1:ドアを開けて灰色の世界で暮らす』
「灰色の世界?」僕は聞き返した。
『そう、灰色で塗りつぶされた世界。ここには色彩は存在せん、喜びや悲しみ、怒りや苦しみも…あんたの好きな音楽も存在せん。絵も造形も居酒屋やゲームセンターも無い。あんたの嫌いな社会や企業も無い。全ての生命に感情が存在せん、だから何にもない。病気やお金も存在せん。寿命もない。ただ未来永劫穏やかな風が吹く世界。そこでやるべき事は1日6時間、灰色の世界が定めた役割を果たすだけ。』
「役割?」
『そう、役割。そっちの世界で言う仕事みたいなもん。たださっきも言うたように灰色の世界にはお金も感情も存在せんけんね。そこがちょっとそっちの世界と違う。一応言うとくけんど、灰色の世界で決まっとるあんたの役割は風車小屋の管理人。もちろんこっちの世界にワルさする人はおらんけん。風車が正常に作動してるか、動力室に小動物が迷い混んでないかチェックするだけの簡単な役割。』
僕は灰色の世界を想像してみた。
『みんな仲良うやってるよ。カートもバスキアも三島もあんたの亡くした子も…。』
その時僕は理解した。鶏男も灰色の世界もこの世のものではない。
しかし僕の心には何故か全く恐怖心はなく、むしろ何だか懐かしい、郷愁を感じる穏やかでちょっぴり切ない温もりに包まれていた。
「もうひとつの選択肢は?」
僕は鶏男に質問した。
『これなんやけど。』
鶏男は小脇に抱えた木箱を両手でゆっくりと持ち直して向こう側のドアの除き穴から僕に見せた。
『選択肢2:色彩の世界でミシェルソンヌを使って、"2オクターブのラブレター"を書く』
空白の時間が流れた。
「訳がわからないな…ミシェルソンヌ?」
鶏男は木箱の側面に着いた、取っ手のような物を引っ張ると、カシャンと音をたてて小さな2オクターブの鍵盤が木箱から姿を現した。鍵盤の上の鉄板はポップな赤で彩られていて白文字で [michelsonne paris] と書かれている。
「トイピアノ…。」
『そう、トイピアノ。このミシェルソンヌを使うてそっちの世界で"2オクターブのラブレター"を書く。』
僕は二つ目の選択肢の、あまりにもすっとんきょうな条件と気恥ずかしさに苦笑いを浮かべて言った。
「ラブレターなんて人生で一度も書いた事無いし、僕はもう初恋をする歳でもない。今年で38歳になるし、お世辞にも若いとは言えない。15年付き合ってる彼女はいる。だけどラブレターを渡すような淡い関係はとっくに過ぎてる。」
『ハァー…あんたは何もわかっとらん…。』
「それに僕は20年近く音楽を続けているけど、2オクターブじゃあ作曲に置いての制限が有りすぎる。これじゃあ童謡ぐらいしか書けないな。」
『あんた本当に何もわかっとらんみたいやね…。』
「……。」
『もう時間が無い………。』
「……。」
ベランダの鳩のいたずらに目を覚まし時計を見たのは、昼の2時を丁度過ぎた頃だった。
さっきの出来事が理解できないまま玄関のドアを開け、外の景色を眺めた。いつも通りの見慣れた、退屈で何ひとつ変わらない時間が過ぎていた。
僕はドアの側に鶏男が置いて行ったミシェルソンヌを見つけると、部屋に持ち帰った。除き穴から見た印象より少し大きく、幅は約40㎝ぐらいあった。
「"2オクターブのラブレター"…。」
僕はそう呟くと、やはり馬鹿馬鹿しさと気恥ずかしさによる苦笑いを浮かべた。
取っ手を手前に引くと、カシャンと音を立てて2オクターブの鍵盤が姿を現す。
僕は1オクターブ目のドの音を人差し指でそっと押してみた。
【 ティーン ♪ 】
その音は想像以上に大きく、部屋の空気を清めるほどに透明感を帯びて響き渡り、朝霧のかかる森のようにひんやりとした音の余韻を残して消えた。
そういえば、前に楽器を弾いてからもう1年が過ぎていた。
僕は約一年ぶりに自分で音を奏でていた。
なぜだかわからない…僕の頬を一筋の涙が流れている。
僕は自分の涙に動揺した。
38歳の男泣きはまずい事ぐらいわかっている。
しかし、どうやっても涙は止まらなかった。
色彩の世界の小さな部屋で、僕は1人泣いた。
-終わり-

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